与件と課題
扉が壁の中に収納されるタイプの引き戸は、すっきりとした空間を実現し、壁面を有効活用できるというメリットがあります。
しかし、ソフトクローズ機能を搭載した場合、扉が完全に収納されると取手が隠れてしまい、閉めにくくなることが課題です。
そのため、わずかに開いた状態で固定される機構が必要になります。
加えて、大型の荷物の搬入時には扉を完全に開くことで、搬入スペースを確保するような機能も求められています。
ソフトクローズ機能を活かしつつ、完全に開けることができて閉めやすい引き戸を実現できないだろうか。
コンセプトと機構設計
SKBひらめき機構設計チームは、扉の開閉をより安全かつ快適にする革新的な金物を開発しました。
内蔵された高性能ダンパーにより、扉が勢いよく開いても、最後はゆっくりと壁の中に収納されます。
そこに、扉が壁からわずかに出ている状態で固定できる機能を追加しました。
これにより、ソフトクローズ機能を活かしつつ、閉めやすい引き戸を実現しました。
さらに扉を全開にする際は、工具を使わず軽く押し込むだけで、扉を開け放つことができます。
金物は、扉の上部レール内に収まるよう設計されているため、扉のデザインを損なうことなく見た目もすっきりしています。